Sovereign GaiXer 1台、クラウドで動かすといくら?
GPU込みの“全部入り1台”を3クラウドで再現。東京リージョンの最新価格で月額を試算する
ひとことで言うと
Sovereign GaiXer 1台をクラウドの GPU 仮想マシン 1台で再現すると、24時間365日の稼働で月額ざっと 40万〜120万円。金額のほとんどは GPU 代です。どのクラウドの・どの GPU を選ぶか、と、1年契約にするかどうかだけの差で生まれます。いっぽう本体の一括買い切りは 3,806,400円──指定クラウドでも 10ヶ月動かせば追い越してしまう金額です。
クラウドで借りると、いちばん安くても月40万円。
買ってしまえば──
3,806,400円一括買い切り・月額ゼロ
Sovereign GaiXer 本体の一括買い切り価格は、指定クラウド(GCP 1年契約)のたった 10ヶ月分。Azure なら 4ヶ月ちょっとで本体価格を追い越します。クラウドの家賃は払い続けても資産になりませんが、買えるなら 10ヶ月目からの GPU 代は実質ゼロ。3年使えば、その差は最大 4,000万円近くまで開きます。しかもハードウェア3年保証(36ヶ月)がついています。
1台の中身は「全部入り」──だからクラウドでも VM 1台に全部入れる
Sovereign GaiXer の筐体 1台には、アプリも、AI(LLM)も、データベースも、すべて同居しています。クラウドで再現する場合も同じで、GPU 付き仮想マシン 1台(+ディスク)にまるっと載せ替えるだけ。だからページや DB、ロードバランサを分けません。
アプリ一式
Web 画面(Next.js)・API(FastAPI)・エージェント実行・認証(Keycloak)。CPU とメモリがそこそこあれば動く「軽い」部分です。
AI 推論(LLM)
vLLM で3つのモデルを常駐させ、合計 約 66GB の GPU メモリを使用するため、費用の 95% 以上を占める重たい部分です。
データ
PostgreSQL(履歴・ベクトル検索)と S3 互換ストレージ(添付資料)。クラウドでは 1TB のディスクが足りれば十分です。
引っ越しで、家財を全部ワンルームに運び込むイメージです。300人構成ではキッチン(DB)やロビー(ロードバランサ)を別の部屋に分けますが、1台構成なら全部同じ部屋(VM 1台)に置くだけ。部屋代=ほぼ GPU 代なので、どの部屋(GPU)を借りるかで家賃が決まります。
クラウドごとに借りられる「GPU の部屋」が違う
必要条件は「GPU メモリ 66GB 以上」「東京リージョン」。満たす仮想マシンは、3社で顔ぶれもまったく違います。その選択肢の違いが、そのまま月額の違いになります。(金額は 2026年7月12日時点・1ドル=160円換算)
NC40ads H100 v5
H100 NVL(94GB)×1。現行筐体にいちばん近く、設定ほぼ無変更で移設可能。時間単価 約1,619円。1年予約で 約1,214円 相当。
p5.4xlarge
H100(80GB)×1。66GB 要件は満たすが、メモリ割当の再調整が必要。時間単価 約1,376円。1年割引は公表単価がなく見積り。
g2-standard-48
L4(24GB)×4 = 96GB。3社で最安(時間単価 約822円・1年契約 約518円 相当)。ただし大きなモデルを4枚に分割して載せる再構成が必要で、速度も H100 より控えめ。
月額はこうなる──3クラウド比較
GPU 仮想マシン+ディスク 1TB+通信費のシンプルな構成で、24時間365日(月730時間)動かした場合の月額です。オンデマンドは使った分だけの定価、1年コミットは1年分の利用を約束して割引を受ける契約です。
| 項目 | Azure | AWS | GCP |
|---|---|---|---|
| GPU 仮想マシン(1台・730h) | 118.2万円$7,388 | 100.4万円$6,278 | 60.0万円$3,752 |
| ディスク 1TB+通信ほか | 2.2万円$140 | 1.8万円$111 | 2.1万円$132 |
| 合計(オンデマンド) | 約 120万円$7,528 | 約 102万円$6,389 | 約 62万円$3,883 |
| 合計(1年コミット) | 約 91万円$5,681 | 要見積参考 約114万円 ※ | 約 40万円$2,496 |
Azure
- GPU 仮想マシン(1台・730h)
- 118.2万円$7,388
- ディスク 1TB+通信ほか
- 2.2万円$140
- 合計(オンデマンド)
- 約 120万円$7,528
- 合計(1年コミット)
- 約 91万円$5,681
AWS
- GPU 仮想マシン(1台・730h)
- 100.4万円$6,278
- ディスク 1TB+通信ほか
- 1.8万円$111
- 合計(オンデマンド)
- 約 102万円$6,389
- 合計(1年コミット)
- 要見積参考 約114万円 ※
GCP
- GPU 仮想マシン(1台・730h)
- 60.0万円$3,752
- ディスク 1TB+通信ほか
- 2.1万円$132
- 合計(オンデマンド)
- 約 62万円$3,883
- 合計(1年コミット)
- 約 40万円$2,496
マンションの家賃と同じです。「1年契約」を結ぶと家賃は 25〜35% 下がります(Azure 120万→91万、GCP 62万→40万)。逆に、今月だけ・短く借りたいならオンデマンドの定価。まず短期で試して、続けると決めたら1年契約に切り替える──が定石です。平日の日中しか使わないなら、夜は“部屋を返す”ことができるのはクラウドの特権で、GPU 代は約 1/4(GCP なら月 15万円前後)まで下がります。
よくある質問(FAQ)
結局、いちばん安く再現できるのは?
GCP の g2-standard-48 を1年契約で使う構成で月額 約40万円です。ただしモデルを GPU 4枚に分割する再構成が必要で、応答速度は H100 構成より控えめです。
現行の筐体と同じ性能で再現するなら?
Microsoft Azure の NC40ads H100 v5(94GB)が本命です。現行筐体に最も近い構成で、設定をほとんど変えずに移設できます。1年契約で月額 約91万円です。
なぜ40万〜120万円とこんなに幅があるの?
費用の 95% 以上が GPU 代で、GPU の種類(H100 か L4×4 か)× 契約形態(定価か1年契約か)の掛け算で決まるためです。周辺費用(ディスク・通信)は月2万円前後から変わりません。
使わない時間は止めれば安くなる?
なります。オンデマンドなら止めている間の GPU 代は0円。平日日中だけ(月180時間)なら GPU 代は約1/4(GCP 約15万円・AWS 約25万円・Azure 約29万円)です。ただし1年コミットとの併用はできないため、稼働パターンが固まっている契約を選びます。
クラウドと買い切り、結局どちらが得?
24時間動かし続けるなら買い切り(3,806,400円)が圧倒的に得できます。指定クラウドでも約9.5ヶ月、Azure なら約4.2ヶ月で本体価格を追い越します。クラウドが向くのは、数週間〜数ヶ月だけ試したい、設置場所がない、台数を一時的に増やしたい場合。短期の検証はクラウド、本番運用は買い切りという使い分けが合理的です。
「データを社外に出さない」という良さは失われない?
LLM も DB も自社専用のクラウド環境の中で完結し、外部の AI サービスにデータを渡さない点は維持されます。ただし物理的な置き場所はクラウド事業者のデータセンターになるため、お客様への説明では「筐体設置が難しい場合の提供形態」「検証環境」という位置づけが現実的です。