AIとお金 シリーズ / 11

Sovereign GaiXer 1台、クラウドで動かすといくら?

GPU込みの“全部入り1台”を3クラウドで再現。東京リージョンの最新価格で月額を試算する

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ひとことで言うと

Sovereign GaiXer 1台をクラウドの GPU 仮想マシン 1台で再現すると、24時間365日の稼働で月額ざっと 40万〜120万円。金額のほとんどは GPU 代です。どのクラウドの・どの GPU を選ぶか、と、1年契約にするかどうかだけの差で生まれます。いっぽう本体の一括買い切りは 3,806,400円──指定クラウドでも 10ヶ月動かせば追い越してしまう金額です。

結論から言うと

クラウドで借りると、いちばん安くても月40万円
買ってしまえば──

3,806,400一括買い切り・月額ゼロ

Sovereign GaiXer 本体の一括買い切り価格は、指定クラウド(GCP 1年契約)のたった 10ヶ月分。Azure なら 4ヶ月ちょっとで本体価格を追い越します。クラウドの家賃は払い続けても資産になりませんが、買えるなら 10ヶ月目からの GPU 代は実質ゼロ。3年使えば、その差は最大 4,000万円近くまで開きます。しかもハードウェア3年保証(36ヶ月)がついています。

GCP 1年契約(月40万円)なら9.5ヶ月 で本体価格を超える
Azure 1年契約(月91万円)なら4.2ヶ月 で本体価格を超える
3年間の総額で比べるとクラウドは 3.8〜11.4倍 高い
3年間(36ヶ月)使った場合の総支払額(万円)
Sovereign GaiXer 買い切り一括 3,806,400円・月額ゼロ
381万円
GCP(1年コミット)月40万円 × 36ヶ月
1,440万円
Azure(1年コミット)月91万円 × 36ヶ月
3,276万円
Azure(オンデマンド)月120万円 × 36ヶ月
4,320万円
同じ 3年間でも、買い切りはクラウド指定の 約1/3.8、H100 構成の 約1/8.6〜1/11.4。しかも買い切りの場合、NVIDIA® GB10 Grace Blackwell Superchip、128 GB LPDDR5X-8533MT/s(ユニファイド・システム・メモリー)を含むワークステーションが資産として手元に残ります。まずはクラウドで試して、本番は買い切り──がいちばん賢いお金の使い方です。
しくみ ①

1台の中身は「全部入り」──だからクラウドでも VM 1台に全部入れる

Sovereign GaiXer の筐体 1台には、アプリも、AI(LLM)も、データベースも、すべて同居しています。クラウドで再現する場合も同じで、GPU 付き仮想マシン 1台(+ディスク)にまるっと載せ替えるだけ。だからページや DB、ロードバランサを分けません。

アプリ一式

Web 画面(Next.js)・API(FastAPI)・エージェント実行・認証(Keycloak)。CPU とメモリがそこそこあれば動く「軽い」部分です。

AI 推論(LLM)

vLLM で3つのモデルを常駐させ、合計 約 66GB の GPU メモリを使用するため、費用の 95% 以上を占める重たい部分です。

データ

PostgreSQL(履歴・ベクトル検索)と S3 互換ストレージ(添付資料)。クラウドでは 1TB のディスクが足りれば十分です。

たとえるなら

引っ越しで、家財を全部ワンルームに運び込むイメージです。300人構成ではキッチン(DB)やロビー(ロードバランサ)を別の部屋に分けますが、1台構成なら全部同じ部屋(VM 1台)に置くだけ。部屋代=ほぼ GPU 代なので、どの部屋(GPU)を借りるかで家賃が決まります

しくみ ②

クラウドごとに借りられる「GPU の部屋」が違う

必要条件は「GPU メモリ 66GB 以上」「東京リージョン」。満たす仮想マシンは、3社で顔ぶれもまったく違います。その選択肢の違いが、そのまま月額の違いになります。(金額は 2026年7月12日時点・1ドル=160円換算)

Microsoft Azure

NC40ads H100 v5

H100 NVL(94GB)×1。現行筐体にいちばん近く、設定ほぼ無変更で移設可能。時間単価 約1,619円。1年予約で 約1,214円 相当。

AWS

p5.4xlarge

H100(80GB)×1。66GB 要件は満たすが、メモリ割当の再調整が必要。時間単価 約1,376円1年割引は公表単価がなく見積り

Google Cloud

g2-standard-48

L4(24GB)×4 = 96GB。3社で最安(時間単価 約822円・1年契約 約518円 相当)。ただし大きなモデルを4枚に分割して載せる再構成が必要で、速度も H100 より控えめ。

ポイント:GPU 付き VM はどのクラウドも申請しないと使えません(初期の利用枠が 0)。契約前にクォータ申請(数日〜数週間)が必要です。
しくみ ③

月額はこうなる──3クラウド比較

GPU 仮想マシン+ディスク 1TB+通信費のシンプルな構成で、24時間365日(月730時間)動かした場合の月額です。オンデマンドは使った分だけの定価、1年コミットは1年分の利用を約束して割引を受ける契約です。

項目AzureAWSGCP
GPU 仮想マシン(1台・730h)118.2万円$7,388100.4万円$6,27860.0万円$3,752
ディスク 1TB+通信ほか2.2万円$1401.8万円$1112.1万円$132
合計(オンデマンド)約 120万円$7,528約 102万円$6,389約 62万円$3,883
合計(1年コミット)約 91万円$5,681要見積参考 約114万円 ※約 40万円$2,496

Azure

GPU 仮想マシン(1台・730h)
118.2万円$7,388
ディスク 1TB+通信ほか
2.2万円$140
合計(オンデマンド)
約 120万円$7,528
合計(1年コミット)
約 91万円$5,681

AWS

GPU 仮想マシン(1台・730h)
100.4万円$6,278
ディスク 1TB+通信ほか
1.8万円$111
合計(オンデマンド)
約 102万円$6,389
合計(1年コミット)
要見積参考 約114万円 ※

GCP

GPU 仮想マシン(1台・730h)
60.0万円$3,752
ディスク 1TB+通信ほか
2.1万円$132
合計(オンデマンド)
約 62万円$3,883
合計(1年コミット)
約 40万円$2,496
月額の比較(安い順・万円)
GCP(1年コミット)L4×4・いちばん安い
40万円
GCP(オンデマンド)L4×4・契約なし
62万円
Azure(1年コミット)H100 NVL 94GB・忠実再現
91万円
AWS(オンデマンド)H100 80GB・1年割引は見積り
102万円
Azure(オンデマンド)H100 NVL 94GB・契約なし
120万円
いちばん安い GCP 1年契約(40万円)と、いちばん高い Azure オンデマンド(120万円)で3倍の差。ただし GCP は GPU の性格が違う(L4×4)ため、性能の忠実さをとるなら Azure、コストをとるなら GCP、という選び方になります。
※ AWS の1年コミット:p5.4xlarge の1年割引単価は公表されていないため、公表単価が確認できる代替構成(g6e.12xlarge=L40S×4 の1年予約)だと約 114万円/月とオンデマンドより高くなってしまいます。AWS を選ぶ場合は Savings Plan の正式見積りが前提です。
たとえるなら

マンションの家賃と同じです。「1年契約」を結ぶと家賃は 25〜35% 下がります(Azure 120万→91万、GCP 62万→40万)。逆に、今月だけ・短く借りたいならオンデマンドの定価。まず短期で試して、続けると決めたら1年契約に切り替える──が定石です。平日の日中しか使わないなら、夜は“部屋を返す”ことができるのはクラウドの特権で、GPU 代は約 1/4(GCP なら月 15万円前後)まで下がります。

よくある質問(FAQ)

結局、いちばん安く再現できるのは?

GCP の g2-standard-48 を1年契約で使う構成で月額 約40万円です。ただしモデルを GPU 4枚に分割する再構成が必要で、応答速度は H100 構成より控えめです。

現行の筐体と同じ性能で再現するなら?

Microsoft Azure の NC40ads H100 v5(94GB)が本命です。現行筐体に最も近い構成で、設定をほとんど変えずに移設できます。1年契約で月額 約91万円です。

なぜ40万〜120万円とこんなに幅があるの?

費用の 95% 以上が GPU 代で、GPU の種類(H100 か L4×4 か)× 契約形態(定価か1年契約か)の掛け算で決まるためです。周辺費用(ディスク・通信)は月2万円前後から変わりません。

使わない時間は止めれば安くなる?

なります。オンデマンドなら止めている間の GPU 代は0円。平日日中だけ(月180時間)なら GPU 代は約1/4(GCP 約15万円・AWS 約25万円・Azure 約29万円)です。ただし1年コミットとの併用はできないため、稼働パターンが固まっている契約を選びます。

クラウドと買い切り、結局どちらが得?

24時間動かし続けるなら買い切り(3,806,400円)が圧倒的に得できます。指定クラウドでも約9.5ヶ月、Azure なら約4.2ヶ月で本体価格を追い越します。クラウドが向くのは、数週間〜数ヶ月だけ試したい、設置場所がない、台数を一時的に増やしたい場合。短期の検証はクラウド、本番運用は買い切りという使い分けが合理的です。

「データを社外に出さない」という良さは失われない?

LLM も DB も自社専用のクラウド環境の中で完結し、外部の AI サービスにデータを渡さない点は維持されます。ただし物理的な置き場所はクラウド事業者のデータセンターになるため、お客様への説明では「筐体設置が難しい場合の提供形態」「検証環境」という位置づけが現実的です。

出典:Azure Retail Prices API(Japan East)/ AWS EC2 公式価格(ap-northeast-1)/ Google Cloud 公式料金ページ(asia-northeast1、一部第三者カタログ値で補完)。いずれも 2026年7月時点。金額は 1ドル=160円で換算し、GPU 仮想マシン+ディスク 1TB+通信費のみを含みます(監視・バックアップ・サポートプラン・構築作業費は含みません)。料金・仕様は変動するため、契約前に必ず最新の公式見積りをご確認ください。試算の前提となる構成は Sovereign GaiXer 相当機(vLLM 3 モデル・必要 GPU メモリ約 66GB)です。買い切り価格 3,806,400円 は Sovereign GaiXer 本体の一括価格で、電気代・設置・保守費は含みません(クラウド側の月額にも構築作業費・運用費は含まないため、比較条件は揃えています)。

出典:OpenAI / Google AI の公式料金ページ(2026年6月時点)にもとづく。料金・モデル名・仕様は変動するため、利用前に必ず最新の公式情報をご確認ください。金額は1ドル=160円、日本語1文字=約1.5トークンで概算しています。本シリーズは特定サービスの利用を推奨するものではありません。
記載の会社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。