「ネットが使えない」と言われたら?
外向きポートが閉じている社内LANで、更新とWeb検索を通す手順
オンプレ生成AI「Sovereign GaiXer」は、インターネットにつながなくても動きます。ただ、管理者画面からのアップデートやWeb検索を使いたいときは、本体からインターネットへの「外向きの通信」が必要です。多くの会社では、この外向き通信がファイアウォールやプロキシで止められています。この記事は、その状態から「通す」までの社内ネットワークの変更手順を、情報システム部門への依頼の出し方まで含めて解説します。
ひとことで言うと
Sovereign GaiXerの外向き通信とは、本体がアップデートの取得やWeb検索のためにインターネットへ出ていく通信のことで、通さなくても製品は動きます。通す場合の方式は3つ。①ファイアウォールで接続先を許可する、②社内プロキシを経由させる、③通さずにUSBメモリで更新する。どれを選ぶかは会社のセキュリティポリシー次第で、情報システム部門には「通信要件表」を添えた変更依頼を出します。作業の順番は、切り分け→方式決定→依頼→実装→本体側の設定→疎通確認→記録、の7ステップです。
- この記事でわかること①──「ネットが使えない」の正体。何が、どこで、なぜ止まっているのかの切り分け方。
- この記事でわかること②──通す方式は3つ。「許可」「プロキシ経由」「通さない(USB運用)」の選び方と、それぞれの作業内容。
- この記事でわかること③──情報システム部門に出す変更依頼の7項目と通信要件表、実装後の疎通確認の手順。
なぜ「ネットが使えない」のか ─ 止めているのは本体ではなく、社内の出口
会社のWi-Fiにつないだスマホで、家では見られたサイトが開かないことがあります。スマホが壊れたのではなく、会社の出口(ファイアウォールやプロキシ)が止めているからです。Sovereign GaiXerも同じです。本体は社内LANでは正常に動いているのに、インターネットへ出ていく通信だけが止まっている。これが「ネットが使えない」の正体です。
通さなくても、製品は動く
AI処理と社内データは本体内で完結します。インターネット接続は必須ではなく、閉域網でも主要な機能が使えます。外向き通信が必要なのは、管理者画面からのアップデートと、Web検索を使う場合だけです。
ファイアウォールのポート制限
社内から外への通信を、ポート(通信の出入口の番号)や宛先で制限しているケース。サーバー機器は外向き通信を原則禁止にしている会社では、本体からの更新チェックが止まります。
プロキシ必須の構成
社内のPCはプロキシサーバー(代理で外に出る機器)を経由しないと外に出られない構成。プロキシを知らない機器は、そもそも外に出られません。本体にプロキシを教える設定が要ります。
URLフィルタ・HTTPS復号
宛先のカテゴリで遮断するURLフィルタや、HTTPSを一度復号して検査する装置(SSLインスペクション)が入っている構成。更新サーバーが「未分類」として止められることがあります。
社内LANは「オフィスのフロア」、インターネットは「ビルの外」。Sovereign GaiXerはフロアの中では自由に働けますが、外に出るには受付(ファイアウォール)を通り、会社によっては専用の出入口(プロキシ)を使う決まりがあります。「ネットが使えない」は、受付で止められている状態。受付に「この機器は、この用事で、この相手にだけ出ます」と届け出るのが、この記事の手順です。
通す方式は3つ ─ 「許可」「プロキシ経由」「通さない」
結論から言うと、方式は3つで、どれも正解になりえます。セキュリティポリシーが厳しい会社ほど③を選び、月1回の更新作業をUSBメモリで行っています。
どの方式でも、AI処理と社内データは本体内で完結します。方式A・Bで外に出るのは、更新ファイルの取得とWeb検索の問い合わせだけです。
ファイアウォールで接続先を許可する
本体のIPアドレスを送信元、更新サーバー等を宛先として、HTTPS(443番ポート)の外向き通信だけを許可します。本体側の設定変更は不要。接続先を絞れるので、情シスが最も受け入れやすい方式です。宛先は通信要件表を参照。
社内プロキシを経由させる
社内PCと同じプロキシサーバーを本体にも設定します。本体OS(Ubuntuベース)の「設定」→「ネットワーク」→「ネットワークプロキシ」→「手動」でHTTP/HTTPSプロキシのアドレスとポートを入力。プロキシ側で本体の通過と接続先を許可します。
通さずに、USBメモリで更新する
インターネットに接続できる別の端末で更新ファイルを入手し、USBメモリ等で本体に取り込んで適用します。外向き通信はゼロ。閉域網の会社の標準運用で、Web検索は使えませんが、それ以外の主要機能はすべて使えます。
| 観点 | 方式A:許可 | 方式B:プロキシ経由 | 方式C:通さない |
|---|---|---|---|
| 情シス側の作業 | ファイアウォールに宛先許可を追加 | プロキシに本体の通過を登録 | なし |
| 本体側の作業 | なし | ネットワークプロキシを設定 | 更新のたびにUSBで取り込み |
| 管理者画面からの更新 | 使える | 使える | 使えない(USBで適用) |
| Web検索 | 使える | 使える | 使えない |
| 外向き通信の量 | 宛先を絞った最小限 | 宛先を絞った最小限 | ゼロ |
| 向いている会社 | サーバーの外向き通信を宛先単位で管理 | 全端末がプロキシ必須 | 閉域網・ネットワーク分離が原則 |
方式A:許可
- 情シス側の作業
- ファイアウォールに宛先許可を追加
- 本体側の作業
- なし
- 管理者画面からの更新
- 使える
- Web検索
- 使える
- 外向き通信の量
- 宛先を絞った最小限
- 向いている会社
- サーバーの外向き通信を宛先単位で管理
方式B:プロキシ経由
- 情シス側の作業
- プロキシに本体の通過を登録
- 本体側の作業
- ネットワークプロキシを設定
- 管理者画面からの更新
- 使える
- Web検索
- 使える
- 外向き通信の量
- 宛先を絞った最小限
- 向いている会社
- 全端末がプロキシ必須
方式C:通さない
- 情シス側の作業
- なし
- 本体側の作業
- 更新のたびにUSBで取り込み
- 管理者画面からの更新
- 使えない(USBで適用)
- Web検索
- 使えない
- 外向き通信の量
- ゼロ
- 向いている会社
- 閉域網・ネットワーク分離が原則
3方式の比較(2026年9月時点。一般的な企業ネットワークでの想定であり、貴社の構成により異なります)
社内ネットワークを変更する7ステップ ─ 切り分けから記録まで
手順は、社内のどの機器の通信を通すときとも同じです。特別なのは「本体側で何をするか」の2か所だけで、それ以外は情報システム部門の通常の変更管理に乗せます。
切り分け:何が止まっているか
管理者画面で更新チェックをして、「名前が引けない」「接続できない」「プロキシ認証」のどれかを確認します。情シスはファイアウォールやプロキシのログで、本体のIPアドレスからの通信がどこで拒否されているかを見ます。切り分けの表は⑥にあります。
方式を決める:A・B・Cのどれか
社内のポリシーに合わせて選びます。サーバーの外向き通信を宛先単位で許可している会社はA、全端末プロキシ必須ならB、閉域が原則ならC。Cを選ぶなら、以降のステップは不要で、更新の運用(誰が・いつ・USBで)を決めて終わりです。
変更依頼を出す:通信要件表を添えて
情シスの変更申請の様式に、④の7項目と⑤の通信要件表を書いて出します。機器接続申請がまだなら、セキュリティチェックシート回答集(PDF)も一緒に添付します。
実装する:許可またはプロキシ登録
方式Aなら、ファイアウォールに「送信元=本体のIP、宛先=通信要件表の接続先、ポート=443/TCP、方向=外向き」の許可ルールを追加。方式Bなら、プロキシの許可リストに本体のIPと接続先を登録します。URLフィルタがあれば接続先を例外に入れます。
本体側の設定:方式Bのときだけ
本体につないだモニターで「設定」→「ネットワーク」→「ネットワークプロキシ」→「手動」を選び、HTTPプロキシ・HTTPSプロキシにプロキシのアドレスとポートを入力します。社内の宛先(本体のIP範囲)はプロキシを通さないよう「無視するホスト」に追加します。方式Aなら、この手順はありません。
疎通確認:更新チェックが通るか
管理者画面で更新チェックを実行し、「最新です」または更新の一覧が表示されれば成功。Web検索を使う場合はチャットで検索を試します。情シス側はファイアウォールやプロキシのログで、本体からの通信が許可された宛先にだけ出ていることを確認します。
記録と戻し方を残す。追加した許可ルール、プロキシの登録内容、本体側の設定値を変更記録に残し、「戻すときはこのルールを消すだけ」を書いておきます。将来、本体を増設したり入れ替えたりするとき、この記録がそのまま次の申請書になります。
情シスに出す変更依頼の書き方 ─ 7項目で、差し戻しをなくす
変更依頼が差し戻される理由は、ほとんど「情報が足りない」です。情シスが判断に使う7項目を最初から書いておけば、一往復で通ります。
- ①対象機器──「Sovereign GaiXer(Lenovo ThinkStation PGXベース・OSはNVIDIA DGX OS/Ubuntuベース)」、設置場所、固定したIPアドレス、MACアドレス、シリアルナンバー。
- ②目的──「ソフトウェア(AI-OS・LLM)のアップデート取得」と、使う場合は「Web検索」。社内データの送信が目的ではないこと、AI処理は本体内で完結することを一文で添えます。
- ③通信要件──方向(外向きのみ)、プロトコルとポート(HTTPS/443/TCP)、宛先(通信要件表のドメイン)。インターネット側から本体へ接続を受ける必要はないと明記します。
- ④希望する方式──A(許可)かB(プロキシ経由)か。社内の標準に合わせる旨を書き、判断は情シスに委ねます。
- ⑤利用頻度と時間帯──更新チェックは管理者が任意のタイミングで実行(例:月1回、業務時間外)。常時通信ではないこと。
- ⑥セキュリティ根拠──セキュリティチェックシート回答集と実証・セキュリティのURL。データ所在・暗号化・脆弱性対応への回答が転記できる形でまとまっています。
- ⑦戻し方と連絡先──「許可ルールを削除すれば元の状態に戻る」こと、本体側の担当者、FIXERのサポート窓口。
「AI機器 Sovereign GaiXer(IP:192.168.10.50、固定)から、ソフトウェア更新の取得のため、通信要件表の宛先へのHTTPS(443/TCP)外向き通信の許可をお願いします。社内データは送信せず、AI処理は本体内で完結します。更新は月1回、管理者が業務時間外に実行します。インターネット側からの受信は不要です。セキュリティチェックシート回答集を添付します。戻す場合は追加ルールの削除のみで、影響範囲は本機器に限られます。」(IPアドレスは例)
通信要件表 ─ 何を、どこへ、どのポートで
変更依頼に添える表です。外向きはHTTPS(443/TCP)が基本で、常時の通信はありません。社内向けは、利用者PCから本体への通信だけです。
| 用途 | 方向 | 接続先 | プロトコル/ポート | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Sovereign GaiXer(AI-OS・LLM)の更新 | 外向き | FIXERの更新サーバー(★製品チームで確認) | HTTPS/443/TCP | 管理者が任意のタイミングで実行。方式Cでは不要 |
| Web検索(使う場合) | 外向き | 検索の接続先(★製品チームで確認) | HTTPS/443/TCP | 利用時のみ。方式Cでは使わない |
| 本体OS(DGX OS)のセキュリティ更新 | 外向き | ports.ubuntu.com/developer.download.nvidia.com/repo.download.nvidia.com | HTTP/80、HTTPS/443/TCP | NVIDIA公開情報のARM64向けリポジトリ。FIXERの更新に同梱される範囲は★要確認 |
| 名前解決(DNS) | 社内 | 社内DNSサーバー | DNS/53/UDP・TCP | 方式A・Bで必須。社内DNSが外部名を引けること |
| 時刻同期(NTP) | 社内または外向き | 社内NTPサーバー(推奨) | NTP/123/UDP | 時刻がずれると証明書検証に失敗することがある |
| 利用者PC → 本体 | 社内 | 本体のIPアドレス | HTTP/HTTPS(★製品チームで確認) | ブラウザからのアクセス。インターネットには関係しない |
| インターネット → 本体 | 受信 | ─ | 不要 | 本体をインターネットに公開する必要はない |
Sovereign GaiXer(AI-OS・LLM)の更新
- 方向
- 外向き
- 接続先
- FIXERの更新サーバー(★製品チームで確認)
- プロトコル/ポート
- HTTPS/443/TCP
- 備考
- 管理者が任意のタイミングで実行。方式Cでは不要
Web検索(使う場合)
- 方向
- 外向き
- 接続先
- 検索の接続先(★製品チームで確認)
- プロトコル/ポート
- HTTPS/443/TCP
- 備考
- 利用時のみ。方式Cでは使わない
本体OS(DGX OS)のセキュリティ更新
- 方向
- 外向き
- 接続先
- ports.ubuntu.com/developer.download.nvidia.com/repo.download.nvidia.com
- プロトコル/ポート
- HTTP/80、HTTPS/443/TCP
- 備考
- NVIDIA公開情報のARM64向けリポジトリ。FIXERの更新に同梱される範囲は★要確認
名前解決(DNS)
- 方向
- 社内
- 接続先
- 社内DNSサーバー
- プロトコル/ポート
- DNS/53/UDP・TCP
- 備考
- 方式A・Bで必須。社内DNSが外部名を引けること
時刻同期(NTP)
- 方向
- 社内または外向き
- 接続先
- 社内NTPサーバー(推奨)
- プロトコル/ポート
- NTP/123/UDP
- 備考
- 時刻がずれると証明書検証に失敗することがある
利用者PC → 本体
- 方向
- 社内
- 接続先
- 本体のIPアドレス
- プロトコル/ポート
- HTTP/HTTPS(★製品チームで確認)
- 備考
- ブラウザからのアクセス。インターネットには関係しない
インターネット → 本体
- 方向
- 受信
- 接続先
- ─
- プロトコル/ポート
- 不要
- 備考
- 本体をインターネットに公開する必要はない
Sovereign GaiXer の通信要件(2026年9月時点)。本体OSの更新先はNVIDIA DGX OS 7 User Guide記載のARM64向けリポジトリ。「★」の項目は最新の値をサポート窓口でご確認ください
つながらないときの切り分け ─ 症状から原因を当てる
「ネットが使えない」には段階があります。名前が引けない → 相手に届かない → 途中で止められる、の順に見ていくと、原因はたいてい1つに絞れます。
| 症状 | 疑う原因 | 確認と対処 |
|---|---|---|
| 更新チェックで「サーバーが見つからない」 | DNS(名前解決)ができていない | 本体のネットワーク設定でDNSが社内DNSを向いているか。社内DNSが外部の名前を引けるか |
| 名前は引けるが「接続できない」「タイムアウト」 | ファイアウォールで443が閉じている | ファイアウォールのログで本体IPからの拒否を確認。方式Aの許可ルールを追加 |
| 社内PCは外に出られるのに本体だけ出られない | プロキシ必須の構成で、本体にプロキシ未設定 | 方式Bへ。本体の「ネットワークプロキシ」を手動設定し、プロキシ側で本体を許可 |
| 「認証が必要」「407」のようなエラー | 認証付きプロキシ | 本体用の認証情報を発行するか、本体のIPを認証不要の例外に登録。対応可否は★サポート窓口へ |
| 「証明書が無効」のようなエラー | SSLインスペクション、または時刻のずれ | 更新先を検査の例外に。本体の時刻がNTPで合っているか確認 |
| 特定の宛先だけ「ブロックされました」 | URLフィルタのカテゴリ遮断 | 通信要件表の宛先をフィルタの例外(許可リスト)に登録 |
更新チェックで「サーバーが見つからない」
- 疑う原因
- DNS(名前解決)ができていない
- 確認と対処
- 本体のネットワーク設定でDNSが社内DNSを向いているか。社内DNSが外部の名前を引けるか
名前は引けるが「接続できない」「タイムアウト」
- 疑う原因
- ファイアウォールで443が閉じている
- 確認と対処
- ファイアウォールのログで本体IPからの拒否を確認。方式Aの許可ルールを追加
社内PCは外に出られるのに本体だけ出られない
- 疑う原因
- プロキシ必須の構成で、本体にプロキシ未設定
- 確認と対処
- 方式Bへ。本体の「ネットワークプロキシ」を手動設定し、プロキシ側で本体を許可
「認証が必要」「407」のようなエラー
- 疑う原因
- 認証付きプロキシ
- 確認と対処
- 本体用の認証情報を発行するか、本体のIPを認証不要の例外に登録。対応可否は★サポート窓口へ
「証明書が無効」のようなエラー
- 疑う原因
- SSLインスペクション、または時刻のずれ
- 確認と対処
- 更新先を検査の例外に。本体の時刻がNTPで合っているか確認
特定の宛先だけ「ブロックされました」
- 疑う原因
- URLフィルタのカテゴリ遮断
- 確認と対処
- 通信要件表の宛先をフィルタの例外(許可リスト)に登録
症状別の切り分け(2026年9月時点。一般的な企業ネットワークでの例)
切り分けは「住所が分かるか(DNS)→ 道が開いているか(443)→ 検問で止められていないか(プロキシ・URLフィルタ・SSL検査)」の3段階。どこで止まっているかが分かれば、情シスへの依頼は一文で済みます。
よくある誤解と、実際のところ
| よくある誤解 | 実際は |
|---|---|
| 外向き通信を許可すると、社内データが外に出る | 外に出るのは更新の取得とWeb検索の問い合わせだけ。AI処理と社内データは本体内で完結します |
| ポートを開けないと、製品が使えない | 閉域のままで主要機能は使えます。更新はUSBメモリで適用できます |
| ファイアウォールを全部開ける必要がある | 本体のIPから、決まった宛先へのHTTPS(443)だけで足ります |
| インターネットから本体へ入ってくる通信も要る | 受信は不要。本体をインターネットに公開する必要はありません |
| 常時インターネットにつながっていないと動かない | 通信するのは管理者が更新を実行したときと、Web検索を使ったときだけです |
| プロキシ環境では使えない | 本体OSの設定画面からプロキシを指定できます(認証付きプロキシの対応可否はサポート窓口へ) |
実際は
- 外向き通信を許可すると、社内データが外に出る
- 外に出るのは更新の取得とWeb検索の問い合わせだけ。AI処理と社内データは本体内で完結します
- ポートを開けないと、製品が使えない
- 閉域のままで主要機能は使えます。更新はUSBメモリで適用できます
- ファイアウォールを全部開ける必要がある
- 本体のIPから、決まった宛先へのHTTPS(443)だけで足ります
- インターネットから本体へ入ってくる通信も要る
- 受信は不要。本体をインターネットに公開する必要はありません
- 常時インターネットにつながっていないと動かない
- 通信するのは管理者が更新を実行したときと、Web検索を使ったときだけです
- プロキシ環境では使えない
- 本体OSの設定画面からプロキシを指定できます(認証付きプロキシの対応可否はサポート窓口へ)
外向き通信についてよく聞かれる誤解(2026年9月時点の公開情報にもとづく)
用語ミニ辞典 ─ 情シスとの会話で出てくる言葉
外向き通信(Sovereign GaiXerの)
Sovereign GaiXerの外向き通信とは、本体がアップデートの取得やWeb検索のためにインターネットへ出ていく通信のことで、通さなくても製品は動きます。
ファイアウォール
社内と外の間で、通信を通す・止めるを決める装置。送信元・宛先・ポートの組み合わせで許可ルールを作ります。
ポート(443番)
通信の出入口の番号。Webの暗号化通信(HTTPS)は443番を使い、本体の外向き通信もこれが基本です。
プロキシサーバー
社内の機器に代わってインターネットに出ていく機器。全端末がここを通る決まりの会社では、本体にもプロキシを設定します。
許可リスト(ホワイトリスト)
通してよい宛先やアプリを列挙した一覧。本体の更新サーバーをここに載せるのが方式Aです。
URLフィルタ
宛先のカテゴリ(業務外・未分類など)で通信を止めるしくみ。更新サーバーが「未分類」として止められることがあります。
SSLインスペクション
暗号化された通信を一度ほどいて中身を検査する装置。更新サーバーへの通信は検査の例外にするか、社内証明書を本体に登録します。
DNS(名前解決)
「更新サーバーの名前」を「住所(IPアドレス)」に変換するしくみ。これが引けないと、そもそも外に出発できません。
オフラインアップデート
インターネットに接続できる別の端末で更新ファイルを入手し、USBメモリ等で本体に取り込んで適用する更新方法のこと。
通信要件表
用途・方向・接続先・プロトコルとポート・備考を1行ずつ書いた表。変更依頼に添えると、情シスがそのままルールに落とせます。
外向き通信について|よくある質問(FAQ)
Sovereign GaiXerの外向き通信とは何ですか?
Sovereign GaiXerの外向き通信とは、本体がアップデートの取得やWeb検索のためにインターネットへ出ていく通信のことで、通さなくても製品は動きます。AI処理と社内データは本体内で完結し、インターネットに送信されません。
社内のファイアウォールで外向きポートが閉じています。使えますか?
使えます。インターネット接続は必須ではなく、閉域網・ネットワーク分離構成でも主要な機能を利用できます。アップデートは、インターネットに接続できる端末で入手した更新ファイルをUSBメモリ等で本体に取り込んで適用します。
管理者画面からアップデートするには、何を開ければよいですか?
本体のIPアドレスから、FIXERの更新サーバーへのHTTPS(443/TCP)の外向き通信を許可します。あわせて、本体が社内DNSで外部の名前を引けること、時刻がNTPで合っていることを確認してください。接続先の最新の値はサポート窓口でご案内します。
プロキシサーバー経由でしか外に出られない会社ですが、対応できますか?
本体OS(NVIDIA DGX OS=Ubuntuベース)の「設定」→「ネットワーク」→「ネットワークプロキシ」→「手動」から、HTTP/HTTPSプロキシのアドレスとポートを設定できます。プロキシ側では本体の通過と更新サーバーへの接続を許可してください。認証付きプロキシへの対応可否は、サポート窓口にご確認ください。
外向き通信を許可すると、社内データがインターネットに出ませんか?
出ません。外向きに出るのは更新ファイルの取得とWeb検索の問い合わせだけで、入力した情報や参照させた社内データは本体内で処理され、インターネットに送信されません。情シス向けの根拠は実証・セキュリティページとセキュリティチェックシート回答集にまとまっています。
インターネット側から本体へ入ってくる通信を許可する必要はありますか?
ありません。本体をインターネットに公開する必要はなく、必要なのは本体から出ていく方向のHTTPS通信だけです。利用者は社内LANのPCから本体にアクセスします。
情シスに出す変更依頼には、何を書けばよいですか?
対象機器(IP・MAC・シリアル)、目的(更新取得・Web検索)、通信要件(外向き・HTTPS 443・宛先)、希望する方式(許可またはプロキシ経由)、利用頻度と時間帯、セキュリティ根拠(回答集と実証ページ)、戻し方と連絡先の7項目です。通信要件表を添えると一往復で通りやすくなります。
更新チェックで「サーバーが見つからない」と出ます。どこを見ればよいですか?
まずDNS(名前解決)です。本体のネットワーク設定でDNSが社内DNSを向いているか、その社内DNSが外部の名前を引けるかを確認します。名前は引けるのに接続できない場合はファイアウォール、社内PCは出られるのに本体だけ出られない場合はプロキシ未設定を疑います。
SSLインスペクション(HTTPSの復号検査)がある環境でも更新できますか?
更新サーバーへの通信を検査の例外に登録するか、社内CA証明書を本体に登録する方法があります。どちらを採るかは情シスの方針に従い、本体側の対応可否と手順はサポート窓口にご確認ください。
閉域のまま使い始めて、あとから外向き通信を許可することはできますか?
できます。まず閉域(方式C)で使い始め、必要になった時点で方式AまたはBに切り替えられます。本体側の設定変更は方式Bのプロキシ設定だけで、方式Aなら本体側の変更はありません。
まとめ:「ネットが使えない」への答えを3点で
- 通さなくても動く。外向き通信が要るのは、管理者画面からの更新とWeb検索だけ。閉域のままUSBメモリで更新する運用(方式C)も正解です。
- 通すなら、本体のIPから決まった宛先へのHTTPS(443)だけ。ファイアウォールで許可(方式A)か、社内プロキシ経由(方式B)。受信は不要で、社内データは外に出ません。
- 依頼は7項目+通信要件表で一往復。切り分け→方式決定→依頼→実装→本体側設定→疎通確認→記録の7ステップで、情シスの通常の変更管理に乗せられます。
記載の内容は2026年9月時点の情報にもとづきます。アップデートの方式・オフライン更新・脆弱性対応は、よくある質問(FAQ)および実証・セキュリティの公開情報にもとづく概要です。3方式の比較・7ステップ・変更依頼の7項目・切り分け表は、一般的な企業ネットワークでの想定を整理したものであり、貴社のネットワーク構成・セキュリティポリシー・運用ルールにより異なります。通信要件表の接続先・ポートのうち「★」の項目は最新の値をサポート窓口でご確認ください。本体OS(DGX OS)の更新先は、NVIDIA DGX OS 7 User Guide「Air-Gapped Installations」に記載のARM64向けリポジトリにもとづきます。プロキシ設定の画面名称はDGX OSのベースであるUbuntuの標準的な設定画面のもので、ソフトウェアの更新により変わる場合があります。設定値・許可ルールは必ず貴社の情報システム部門の指示に従ってください。IPアドレスの記載は例です。ThinkStationはLenovoの商標です。「AI-OS」は、AIを業務で安全に使えるようにする基盤ソフトウェアの役割を分かりやすく表した呼称です。スマホ・オフィスへのたとえは製品の構造を説明するための比喩であり、特定の製品との互換性や同等性を示すものではありません。
記載の会社名・製品名・サービス名は、各社の商標または登録商標です。